現代の日本における義務教育は、みなさんご存知の通り小学校と中学校の9年間となっていますが、中学校卒業後の高校進学率は98パーセントを超え、もはや高校も義務教育化すべきではないのかという世論も耳にするようになってきました。
今の日本では高校進学は当たり前、最終学歴も「高卒」と「中卒」では随分とイメージが異なり、就職の際などに大きな影響を及ぼします。
高校を卒業していなければアルバイトでさえ受け入れてもらえないことも珍しくありません。
何らかの事情で高校を資格を持っていない人のため
しかし、高校を卒業するということは、必ずしも全ての人にとって容易というわけではありません。
高校に通っていたものの、何らかの事情によって通学が難しくなり、出席日数が足りずに留年してしまうケース、勉強が遅れてしまい単位が取れないケースもあります。また、既に社会人となっている方でも、かつて高校を中退してしまった、中卒で就職した等で現在に至り、少なからず後悔をしているというケースもあるでしょう。
そんな様々な事情を持つ方の、「勉強を続けたい」、「もう一度勉強をしたい」、そして「高校を卒業したい」という希望を叶えるのが、「通信制高校」です。
通信制高校とは、高等学校通信教育のことで、学校教育法に基づいて制定されている高校教育課程のひとつです。
通信制高校でも学歴は高卒扱い
通信制高校で条件を満たし晴れて卒業となれば、全日制高校や定時制高校を卒業するのと同じ効力を持ち、学歴は「高校卒業」となりますので、卒業後に大学や短大、専門学校に進学することも可能となります。
もちろん、高卒以上という条件付きの求人にも応募できますし、資格試験などにも挑戦できます。
通信制高校の特徴と人気のその秘密について
通信制高校の最大の特徴は、「通信」という言葉の通り、その学習が主に通信教育スタイルで行われるということです。
年間20~25日程度のスクーリング(所定の校舎にて行われる面接指導)や特別活動、単位取得テストの他は、基本的にレポートを提出して添削指導を受けることによって学習を進めていくので、自宅など好きな場所で、都合の良い時間に勉強ができます。ですから、登校が難しい方や勉強時間を多くは確保できないという方にも、自分のペースで無理なく高等学校教育が受けられるのです。
かつて通信制高校は、主として仕事をしながら高等学校教育を受けたい人々に利用されていたものですが、最近では全日制高校や定時制高校に並ぶ、高校進学時の選択肢の一つとして注目を集めています。
毎日登校する必要がないということから、不登校や健康上の理由で通学できない方や、経済的な理由で仕事をしながら学びたい方、夢を追いながら勉強をしていきたい方など、幅広い層からの支持を集めているのです。
芸能人やスポーツ選手などにも、通信制高校で勉強している人が数多くいるようですね。
サポート校の存在が、通信制高校を手助け
これまであまり知られていなかったスタイルの高校教育なので、「全日制高校と同じように勉強できるのかしら?」「進学するだけの学力は本当に付くのかしら?」と心配になる方も多いと思いますが、通信制高校の勉強を支援する「サポート校」と呼ばれる教育機関も存在しますので安心です。
サポート校の中には、大学進学を前提として十分な学力を身に付けるための指導を行っているところもありますし、不登校などの悩みを解決することに力を入れているところもあります。一人一人の悩みや目標に合わせて、最適の通信制高校やサポート校を選ぶことができます。
人にはそれぞれ個性があるように、勉強の仕方や将来へ向かうプロセスも、十人十色であって良いのです。全日制高校や定時制高校に通うのが難しいからと、高校卒業やその後の進学を諦めることはありません。また、夢を追っている方や既に社会に出てバリバリと仕事をされている方でも、学びたいという意欲があれば、通信制高校の門戸はいつでも開かれています。
もしかしたら通信制高校こそが、あなたの未来を拓き、諦めていた夢を叶えるための鍵を握っているかもしれませんね。